お好み焼きの起源は中国の煎餅

お好み焼きの起源は古く、中国の煎餅（センビン）にまで遡ります。孔子の思想を前進させた墨子の言葉に煎餅が登場していることから、その当時から庶民の主食として親しまれていたことがわかります。

日本への伝来と煎餅の変遷

唐で新しい知識を身につけて帰朝した学者・吉備真備は、大学寮での課外授業に小麦と小麦粉を持ち込み、長安における粉食文化を学生達に紹介しました。そして、講義の締めくくりに、煎餅を自ら焼いて学生に試食をすすめたとされています。

ふの焼きとお好み焼きの原型

室町時代に入ると茶人の千利休が、茶菓子として「ふの焼き」を用いるようになりました。このふの焼きは、うどん粉を水と酒で練り、それを薄く伸ばして焼き、さらに味噌を塗って丸めたもので、お好み焼きの原型とされています。

もんじゃ焼きの誕生

明治時代末期になると、東京下町の駄菓子屋で「もんじゃ焼き」が販売されるようになり、子供たちの間で大人気となりました。次第に、生地に野菜などの具が入るようになり、子供のおやつからお腹を満たす食べ物へと進化していきます。

どんどん焼きの登場と地方でのヒット

大正時代には「どんどん焼き」というものが登場します。もんじゃ焼きの生地の水分を抑えて硬めに焼き上げたどんどん焼きは、お好み焼きの前段階ともいえるスタイルで、東北地方で独自に進化を遂げました。

一銭洋食のブームとお好み焼きの普及

戦後の飢餓の時代に人気だったのが、駄菓子屋の「一銭洋食」です。大人たちは子供のおやつであった一銭洋食を庶民の味として格上げし、国民的な食べ物として普及します。やがてこの一銭洋食がお好み焼きに進化していったのです。

高度経済成長時代とお好み焼きの発展

高度経済成長時代になると、外食スタイルが流行し、お好み焼きもお店で食べることが一般的になりました。メニューも増え、お好み焼き屋で焼きそばや焼きうどんが提供されるようになります。

現代のお好み焼き

地方ごとに特色ある味わいを楽しめるお好み焼きは、日本の文化の一部として長い歴史を刻んできました。現代では、日本はもちろん海外でも人気があり、日本の食文化を広く世界に伝える役割を果たしています。

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